発症したときのために
準備としての予備知識
もしもうつ病の傾向が現れたら、専門医に診断してもらうのが一番の手です。その準備段階として、うつ病の治療費や、病院での処置について知っておきましょう。心の病は治療の初期段階で「ゴール」が分からないので、治療費も一概には言えません。しかし、うつ病も基本的な治療費は健康保険の対象となっているため、三割負担で治療ができます。また、患者の治療費を軽減する「自立支援医療制度」という制度があり、継続的な治療の支援をしてもらえます。市町村の窓口で申請することで利用ができ、自己負担額が一割に減額されます。この制度を利用することで、週に1回ペースの通院であれば治療費の自己負担を4,000円から5,000円程度で抑えることができます。自立支援医療制度を利用しないと、3倍以上の自己負担が必要になると言われます。治療費の内訳は、診断などにかかる診察料と治療のための薬代です。そのため、前述した治療費用は薬物療法を行うときの相場です。うつ病の治療法は主に「休養」「精神療法」「薬物療法」の三種類です。うつ病にかかりやすい人はまじめで几帳面なため、仕事などのストレス要因にまっすぐ向き合うことが多いです。そのため、そのようなストレスの原因から完全に離れる「休養」という治療が最も効果的と言えます。また、うつ病と診断された自分を理解し、自分をコントロールする「精神療法」も有効です。精神療法にはさまざまな治療法が存在しており、専門医が場合に応じて行っていきます。そして、病状改善と再発防止のために薬物療法を行います。薬物療法の中心は抗うつ薬で、抑うつ気分を和らげたり不安や緊張を取り除いたりといった効果が期待できます。その他にも抗不安薬や睡眠薬などを用いて症状改善を促します。診断と早期改善には必ず専門医の力を借りましょう。近年患者数が増えてきている病気であるため、うつ病を専門とした医師も数多く存在します。しかし、すぐには改善しない病気であるため、通院できる範囲内で医師を探してみてください。専門医のアドバイスをもとに、病状改善と再発防止を図りましょう。